米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、債務にあえぐ企業から投資家の希望の星に、わずか3年間で変身した。この業績回復は、中国の提携企業に対して先進半導体技術の開発を支援する決定から始まった。この取引はAMDを危機から救ったかもしれないが、米国の国家安全保障当局者らを警戒させた。当局者らは、この取引が中国のスーパーコンピューター産業を抑え込むという目標の妨げになると考えたのだ。何年にも及んだ対立のはてに、米商務省は先週、中国の幾つかの組織を対象に、米国からの技術取得を事実上不可能にする措置を発表した。その対象にはAMDの複数の提携先も含まれていた。米国はこれで、最先端のコンピューター技術が中国に流出することを止めるのに成功したかのように見える。しかし現実には、遅きに失したのである。中国版のAMD半導体チップはすでに、生産ラインから次々に流れ出している。米中間で繰り広げられている次世代スパコン第1号の開発レースで、この技術が中国を助けている。次世代スパコンは、民生用および軍事用の先進応用技術に不可欠なものだ。
半導体王国のカギ、中国に渡した米大手企業
米AMDは中国との合弁事業で業績を回復、だが先端技術の移転は国家安全保障巡る問題に
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