中国版テスラが輝きを失っている。中国のEVメーカー、蔚来汽車(NIO)は車載電池が発火したとの報道を受け、5000台近い車両のリコール(回収・無償修理)を発表した。自動車業界ではリコールはよくあることだが、NIOのような新興企業にとっては今回のリコール規模は大きく、これまで納車した台数の3割近くに相当する。NIOは引き続き、費用負担について電池サプライヤーと話し合っている。費用は巨額とはならないだろうが、高級EVメーカーというNIOのイメージはリコールによって傷つく可能性が高い。以前は惜しみなく出されていたEV補助金の削減も、販売の足かせとなりそうだ。投資家の信用は失われている。NIOの株価は昨年9月の新規株式公開(IPO)直後につけた高値を80%近く下回っている。2月に発行した転換社債の価値は半減した。
中国版テスラのNIO、リコールでイメージ失墜も
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