香港のデモ隊は、監視カメラに顔が映らないようにマスクやヘルメット、ゴーグルを着用している Photo:JIJI

 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に抗議する香港のデモは、6月16日には参加者が200万人に膨れ上がった。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、改正案が事実上廃案になるとの認識を示した。しかし、若者はこれに納得せず、改正案の「完全撤回」を求めて、抗議活動を継続している。

 香港の若者らは、インターネットで募金を呼び掛けるクラウドファンディングを立ち上げて協力を呼びかけ、約670万香港ドル(約9200万円)を集めた。そして、米紙「ニューヨーク・タイムズ」や「朝日新聞」、韓国紙「朝鮮日報」のほか、フランスや英国など約10ヵ国の主要紙に、主要20ヵ国・地域(G20)大阪サミットで、香港問題を取り上げるよう訴える全面広告を掲載した。香港の若者の勢いが止まらない。

 今回のデモは、2014年の「雨傘運動」と比較して、非常に洗練されている。若者たちは、雨傘運動の「失敗」から多くを学び、今回のデモの成功につなげているという指摘がある(The Financial Times, “Hong Kong protesters have learnt from their 2014 predecessors”)。だが、今後この抗議運動がどの方向に向かうのか、私は不安を感じている。