個人投資家が唯一の長期投資家に

 加えて、資産運用の面でも確定拠出型年金における個人投資のほうが、大きなリターンを獲得できる可能性があると考えています。というのも、前述のように企業年金は目先の成果を意識した運用に傾斜しており、銀行や生命保険会社等の代表的な機関投資家も規制強化により短期の実績を意識せざるを得ず、目先のリターンを重視する短期投資家になっているからです。

 誰もが短期的な成果を求めるようになると何が起こるのでしょうか? 例えば、ある企業の株価が本源的価値よりも高い場合であっても、その株価が上がりそうであれば皆それを買うという、順張り的な投資行動を取る人が多くなります。すると、ある企業の株価はその本源的価値からさらに乖離してどんどん割高になります。つまり市場の歪みは大きくなるので、本源的価値を重視し、時間はかかってもこの歪みを利用できる長期投資家にとってはチャンス到来とも言えます。かの有名なウォーレン・バフェットは、この長期投資家のメリットを最大限に活用している一人です。

個人投資家だからできること

 ウォーレン・バフェットと同様、長期的に投資を考えられる存在が個人投資家なのです。なぜなら、個人には機関投資家に適用される規制は関係なく、自分さえその気になれば投資期間20~30年といった超長期の投資を行い、市場の大きな歪みを捉えることができるからです。結果として、確定給付型年金で想定されていたよりも多くの金額を獲得できる可能性さえあるかもしれません。このような個人投資家としての持てる強みを十分に活用して、確定拠出型年金での「自分年金」形成につなげていきたいものです。

今回の川柳
DCで 個人のメリット フル活用

※本記事中の発言は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属するアライアンス・バーンスタイン株式会社の見解ではありません。