こうして3つの選択肢をシミュレーションすると、結果は以下のようになった。 

(1)住み続ける 

 管理費と修繕積立金を毎月4万円払い続けるだけでいい。

(2)売却する  

 売却額は2400万円。月10万円使っても20年もつ。

(3)賃貸する  

 月に14万円、年に168万円の収入がある。その20年後に賃料10万円になるまで貸し続けると、総額は2880万円になる。

「老後難民」にならないため
自宅にはしっかり稼いでもらう

「老後難民」という言葉がある。定年後の年金以外に必要な資金が約3000万円なのに対して、まったく用意できていない人が4割に及ぶという話だ。そんななか前述のように、築30年の物件に住みながら収入を得られる選択肢が3つもあるということは、悪い話ではない。

 住み続けてもいいし、売却・賃貸して親の実家に転居してもいい。売却するか賃貸するかの選択は、やや賃貸の方が有利である。新築時5%の利回りは築30年で7%になるから、賃料よりも売却価値の落ち方の方が大きいことになる。この場合にも、夫婦どちらかの実家に転居したと考えると、14万円の賃料がキャッシュで入ってくるので、年金の不足額を補うことができる。

 マンションは資産である。資産に稼いでもらうことは十分可能だ。そのためには、都心に近く、面積が広く、築年の浅いマンションの方がよりいい。理由は、マンションという「資産」は賃料が高いほど価値があるからだ。このことを覚えておいた方がいい。

(スタイルアクト株式会社 代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)