突然ですが、最近、次のような症状はありませんか。(1)明け方に目が覚め、その瞬間から心配ごとが思い浮かんで眠れなくなる。(2)イライラしたり、理由もなく涙ぐんだりすることがある。(3)朝、会社に行く途中、頭痛や吐き気がする。
この3つの症状が同時にあれば、あなたは、「うつ病」の可能性が相当高く、1つでも(特に1が)頻度多くあれば、うつ病を疑ってみる必要があります。
東京大学の教授が中心になって2002~06年に実施した調査では、「日本人の15人に1人がうつ病にかかる」という結果が出ています。軽いうつであれば、もっと多いと言われています。
今回は、今、日本で急増している「うつ病」の特集です。
うつ病を「心の風邪」と表現する医師がいます。誰もがかかり、きちんと治療すれば治るけど、風邪が肺炎死にいたる場合があるように、うつ病も悪化すれば死を招くという意味です。
うつ病の場合の死とは、自殺です。本誌に掲載しました「うつ病にかかった精神科医の独白」を読んでいただくと、よくわかると思いますが、その医師は、「自殺を考えて、いつの間にか電車ホームの前で2時間ぼーっと立ちすくんでいたり、ビルの屋上に上がっていたりした自分に気がついて愕然とした」と語っています。