スタートアップのバイブルとして名高い『起業のファイナンス』シリーズの最新刊として、『起業のコーポレート業務』が発売されました。オフィスの探し方や社会保険への加入、PR、反社対応、M&A・IPO準備など、総務・経理・労務・法務とEXITに関する全てをカバーする「スタートアップの実務大全」とも言える1冊で、スタートアップ以外の企業のコーポレート部門の人にも大いに役立つ内容となっています。
この連載では、主に同書の「コラム」を公開していきます。第5回は広がる「スタートアップファイナンスの選択肢」についてです。

ファイナンスの選択肢Photo: Adobe Stock

増えてきたスタートアップファイナンスの選択肢

 エクイティ(株式)と借入がスタートアップファイナンスの主流ですが、近年他の選択肢も増えつつあります。ここではメジャーなものを紹介します。

スタートアップファイナンスの選択肢

 補助金・助成金については、スタートアップが所属する業界や地方自治体に応じてさまざまなメニューがあり、メジャーなものは経済産業省のミラサポplusで検索が可能ですし、複雑な手続きをサポート・代行してくれるコンサルも複数存在します。

 先にキャッシュをもらえるわけではありませんが、システムやソフトウェアを導入する際はデジタル化・AI導入補助金2026、非正規雇用の方を正規化する際はキャリアアップ助成金などを利用すれば、かなり大きな金額のキャッシュアウトを実際に抑えることが可能です。

 クラウドファンディング以下の手法については、提供事業者も増えて(彼らそのものがスタートアップだったりするのですが)、エクイティと借入を主軸としたファイナンスラウンドに、これらの手法を組み合わせるようになったこともラウンド大型化傾向の要因の1つかと思われます。

 一方で、あまりにも扱う種類が増えると関係者も多くなり、メンテナンスコストも高くなりがちな点や、手法によってはその後のファイナンスに制約が出る懸念もある点は留意しておくべきでしょう。