そうなると、毎月25万円の生活費としても、不足分は毎月3万円だから32年間で1200万円ということになる。「報告書」では26万円強の消費額としているので、これより少し多くなる可能性もあるが、サラリーマンは年金が充実していることを考えると、不足額は2000万円より少なくて済みそうだ。

 もっとも、マクロ経済スライドという制度があるので、少子高齢化によって年金支給額が少しずつ減額されていく見込みであること、万が一のための400万円を用意することなどを考えると、2000万円というのは普通のサラリーマンにとっても的外れとはいえない数字であろう。

サラリーマンは退職金が出るうえ
遺産が手に入る可能性も

 すでに2000万円を用意できている現役サラリーマンも少ないであろうが、普通のサラリーマンは退職金が出るので心配は無用である。

 件の金融庁の「報告書」によれば、普通のサラリーマンには1700万円から2000万円の退職金が出るようだ。退職金の無い会社ももちろんあるが、企業年金がある会社があったり、定年後に再雇用してもらえる会社があったりもする。

 また、個人差は大きいであろうが、遺産が手に入る人もいるはずだ。日本の高齢者は、平均すると結構な金融資産を持っている。「報告書」によれば、70歳以上の世帯は平均純金融資産額が2000万円弱となっている。

 平均値の計算には大金持ちが含まれているために、普通の高齢者の資産額よりは大きな数字となっているだろうが、それを考えても、結構な金額である。

 日本の高齢者の多くは「平均寿命より遥かに長生きしても貯金が底を突かないように、倹約しながら暮らし、結局それほど長生きせずに他界する」ので、そこそこの遺産を遺す人が多いのだ。