それによって、「忘れられない人」になるのです。

 できる人はそんなふうに、手土産や贈り物から“ストーリー展開”する術を心得ています。

手土産に限らず、
手紙一つにも意味を持たせる

 この「ストーリーをつけて、会話につなげる」という手法は、手土産やプレゼントだけに限りません。

 手紙一つにしても、季節の和紙を使う、紅葉の時期ならモミジを入れてみるなど。相手に「物語」を感じてもらう方法はいくらでもあります。

 要は、何にでも意味合いを持たせるのです。

 どうして今日は、この手土産に、このネクタイで訪問するのか、とか。

 小さなことにも意味合いを持たせることで、それが会話につながり、ラ・ポールの構築につながることがあるのです。

 私は万年筆のインクの色だけで、お客様とのつながりが強くなったことがあります。

 私が使っているモンブランの万年筆のインクは、ブラックとブルーの中間で、「ミッドナイトブルー」という色です。

 これは私の感覚ですが、ブラックだと少し強すぎる感じがして好きではないのですが、青では印象が弱すぎると感じていたのです。そうしたら、ちょうど中間の色のインクを見つけて、感動してずっと使っています。

 昔、営業をしていたとき、ご契約いただいた約250人のお客様すべてに手紙を書いていたのですが、そのなかのお一人と電話で話をしたときに、こんな言葉をかけていただきました。

「浅川君、あれ、モンブランのミッドナイトブルーだろ?」

「はい」

「君はおしゃれなのを使ってるなぁ。俺も若いとき、あのインク、使ってたよ」

 東北の市会議員の方でしたが、インクの色一つで、ラ・ポールが築かれました。

 たったお一人でしたけど、ずっとこの色にこだわって使っていてよかったなと思ったものです。