警察本部長がカメラの前で謝罪するというのは、実はそれほどまでに重いのだ。2つの府警は、それが立て続けに起きた。万引きや盗撮などといった不祥事とは、レベルが違うのだ。

ダブルパンチ

 山科署巡査長の詐欺事件は6月15日、京都府警捜査2課が高橋龍嗣被告(38)=詐欺罪で起訴、懲戒免職=を逮捕した。起訴状によると、伏見署の交番に勤務していた昨年11月、京都市伏見区の無職男性(78)に「現金を預かる」と偽って現金をだまし取ったというものだ。

 11月8日、男性が寄付のため金融機関を訪れ、高額の引き出しをしようとしていたことから金融機関側が特殊詐欺を疑い通報。駆け付けた高橋被告が理由などを聞き、さらに「自宅にも500万円ある」などと資産状況を把握。「銀行に預けた方がいい」などと言って詐取したとされる。

 さらに14日には、男性の希望通りに現金を払い出すよう金融機関に依頼して、金融機関から引き出した現金と自宅にあった現金の計約1100万円を詐取した、という手口だ。

 高橋被告は男性に「犯罪に関する可能性があるため、預かって捜査する」と説明したが、口座や資産が犯罪に利用されていると説明して高齢者をだますのは、特殊詐欺の常とう手段。現金を詐取した後は、男性に「体調はどうですか」などと定期的に気遣うような連絡をしていたという。

 男性は生活保護費を受給していたが、少しずつ貯金し、資産がたまってきたため市役所に相談。受給の打ち切りが決まっていた。高橋被告は「お金を持っていたら生活保護は受けられないですよね。お金を預かって調べる」などと言って、不正受給の疑いを示唆して男性を脅していたとみられる。

 高橋被告は当初、府警の聴取に「借りただけでだましていない」「投資に使った」などと容疑を否認していたが、後に「最初からだますつもりだった」と全面的に認めていた。詐取した現金は投資や借金返済、生活費でほぼ全額を使い果たしていた。