世界で活躍するシリアルイノベーター、濱口秀司さんの論文集『SHIFT:イノベーションの作法』を、みなさんはどのように読んでくださったのか。濱口さんをよく知る、これまた多士済々に感想を伺って、リレー方式でご紹介していきます。この論文集をこれから読む方にも、すでに読んだ方にも、この論文集の活用法や、効果を最大化する方法のヒントになるかもしれません!
トップバッターは、ちきりんさん(@insideCHIKIRIN)です。濱口さんが日本での仕事を増やし始めた初期のころに、ダイヤモンド・オンラインで対談してくださって以来、親交を深めておられる、ちきりんさん。濱口さん初の論文集に抱いた感想とは??

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はまぐちさんの論文には「愛」がある。

いつのまにか強固なバイアスに囚われてしまった優秀な専門家たちへの。普通の人ばかりで構成され、たまに入社してきた天才にはすぐに見捨てられてしまう“一流企業”への。そして、初めて聞く画期的なアイデアに得意の論理思考で万全な反論を用意できてしまう誠実な経営者たちへの愛に溢れた論文集だ。

内容的にはあまりにも盛りだくさんなので、個人的には次のみっつに絞って自分のものにしていきたい。ひとつは「バイアスの構造化」。これは自身の限界を超えるためにも、必須のスキルと思える。

β100も、内外の市場の境界線をなくす試みとして極めて興味深い。私たちは市場からしか学べない。だったら組織に市場を取り込むべきだ。

さいごに「インターナルマーケティング」という言葉の選択。「抵抗勢力との戦い方」と呼ぶ人には感じられない愛を、クライアントさんだって感じるはず。

読後あらためて思う。重要なのは「情報をフレームワークに落とし込んで整理すること」ではなく、「情報を構造化することで、フレームワーク(作法)を創り出すこと」だ。そしてそれを可能にするのは、「考え続けること」だけなのだ。

そんじゃーね。