
中東情勢の緊迫化を背景に、2026年3月の株式市場は日経平均株価が月間で2ケタを超える下落を記録するなど、極めて厳しい局面を迎えました。年初からの上昇ムードが一変し、市場に緊張が走るなか、果たして個人投資家はどのように動いたのでしょうか。パニックによる投げ売りか、あるいは冷静な継続か――。急落の裏側で起きていたリアルな資金の動きを詳しく見ていきましょう。
3月の投資信託の資金フローをチェック!
パニック売りを凌駕する「押し目買い」の勢い
2026年3月の株式市場は、中東情勢の悪化などを背景に極めて厳しい相場展開となり、日経平均株価は月間で-13.4%と大幅に下落しました。ただ、1月・2月は大幅な上昇だったため、年初来で見れば+1.4%とまだ若干のプラスです。
とはいえ、3月の金融市場の混乱を受けて、投資家はどのように動いたのでしょうか。3月の投資信託の資金フローから、株式相場の急落下での個人投資家の動きを確認したいと思います。
個人投資家の動向を反映する追加型株式投信(上場投資信託[ETF]を除く)の3月の資金フローは、+2兆3700億円程度の資金流入と、2月の+1兆7000億円から大幅に増加しました。3月に最も資金を集めた投資対象は、外国株式型の+1兆1700億円で、2月の+1兆1300億円とほぼ同水準となっています。
次に資金を集めたのが、国内株式型(日本株型)で+6600億円程度です。こちらは、2月の+2000億円から大幅に加速しています。実は、日本株型投資信託への資金流入額が5000億円を超えるのは金融危機後初めて。個人投資家が日本株型投資信託を通じて、株価下落に買い向かった動きが明らかになっています。
なお、それ以外の投資対象を見ると、バランス型とその他型がそれぞれ+2000億円台の資金流入となっており、好調を維持しています。その他型には金(ゴールド)関連の投資信託が含まれますが、こちらも金価格が急落する中で、個人投資家が押し目買いを進めたものと思われます。
『インデックス買い』が2月の流入額の10倍超に急増!
対面・ネット双方で「日本株=強気」を継続
さらに、日本株型投資信託への資金流入について、もう少し詳しく見てみましょう。
日本株型投資信託を指数への連動を目指すインデックス型と、指数を上回る成績を目指すアクティブ型に分けてみます。3月の資金流入額+6600億円のうち、およそ3分の2にあたる+4500億円程度がインデックス型に向かっています。とりわけ、日経平均株価に連動するインデックス型には高水準の資金が集中しています。2月のインデックス型への資金流入額は+400億円程度にとどまっており、日経平均株価が大きく下げた場面で買う、“逆張り”の動きが強まったことになります。
一方で、3月のアクティブ型への資金流入額は+2100億円でした。2月は+1600億円でしたので、資金フローが鈍ったという訳ではありません。そういった意味では、対面販売を中心とするアクティブ型の日本株型投資信託においても、引き続き日本株相場に対して強気な見方が優勢であると考えられます。
先に取り上げた金関連型への好調な資金流入を見ても、3月の金融市場の混乱を受けて、個人投資家の投資意欲は引き続き根強いものと言えそうです。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
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本記事は2026年4月4日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。





