米国の富豪でアクティビスト(物言う株主)のトム・ステイヤー氏(62)は9日、大統領選への出馬を表明した。混戦模様となっている民主党の候補指名争いに、資金力がありドナルド・トランプ大統領に批判的な人物が加わった。元ヘッジファンドマネジャーのステイヤー氏は、トランプ氏の弾劾手続きをとりわけ強く求めてきた1人で、同氏の出馬により、民主党の候補指名争いでこの問題が大きな争点となるのは確実だ。出馬を表明した動画では、「企業による民主主義の腐敗に終止符を打ち、米国の人々にさらなる力をもたらすために立候補」したと述べた。ステイヤー氏の出馬表明は、これまでの姿勢を反転させた形となる。同氏は1月、向こう2年は自身の資金とエネルギーを大統領選出馬ではなく、トランプ氏の弾劾へ向けた取り組みに注ぐ計画だと述べていた。