世界で活躍するシリアルイノベーター、濱口秀司さんの論文集『SHIFT:イノベーションの作法』を、みなさんはどのように読んでくださったのか。濱口さんをよく知る、これまた多士済々に感想を伺って、リレー方式でご紹介していきます。この論文集をこれから読む方にも、すでに読んだ方にも、この論文集の活用法や、効果を最大化する方法のヒントになるかもしれません!
今回うかがうのは、予防医学研究者の石川善樹さんです。濱口さんに私淑し、次に論文集を出すときは「僕がまとめます!」と表明されている(!)石川善樹さんに、濱口さんの凄みについて聞きました。

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石川善樹さんが考える「知の三巨人~デカルト・ベーコン・濱口秀司~」石川善樹(いしかわ・よしき)さん
予防医学研究者。近著に『問い続ける力』(ちくま新書)

いったい、濱口秀司とは何者か?
おそらく、多くの人が疑問に思っているだろう。

世界的に活躍するイノベーターながら、日本でその名が知られ始めたのはつい最近のことだからだ。

私が初めて濱口さんと出会ったのは、数年前のこと。とあるイベントでその驚異的な実績と思考法の一端に触れ、文字通り言葉を失った。それからというもの、必死で濱口さんを追いかけ、折に触れては直接教えを請い、またプロジェクトをご一緒するようになった。

その結果、おぼろげながら見えてきたのが「濱口秀司とは人類が400年ぶりに見出した、新たな思考法かもしれない」ということだ。人類の知の歴史を振り返った時、燦然と輝くのがデカルト(演繹法)とベーコン(帰納法)である。実際、学校教育で習う思考法は、突き詰めるとその2つしかない。大げさに聞こえるかもしれないが、濱口さんは本論文集「バイアス・ブレイク」という思考法で、人類のそれを400年ぶりに革新した。何度読み返しても新たな発見があるだろうし、また読むほどにそれが濱口さんの思考法の一端でしかないことにも気付くだろう。

ということで気の早い私は、早くも第2弾の論文集を期待してしまう。濱口さん、人類の知をアップデートするためにもお願いします(笑)!