中国はマラッカ海峡を航行する自国船舶へ向け緊急レベルの警報を発した。海峡周辺の国々はこれに困惑し、戦略的な意図が背後にあるのか解明しようとしている。中国は今月2日、高レベルの海事警報を発した。こうした警報は通常、攻撃が近い場合など非常事態に発せられ、商用船舶に保安強化を促すものだ。中国政府は今回の警報を発する根拠となった危険に関し、詳細を明らかにしていない。中国が海上輸送する原油の大半は、マレー半島とインドネシアのスマトラ島に挟まれたマラッカ海峡を通る。このため、仮に紛争が発生し、米国など競争国が海峡封鎖を試みれば、中国にとっては戦略的な弱点となる。警戒レベルの引き上げを受け、中国が護衛艦を海峡に送り込む可能性が懸念されている。