――多英は大泉洋さん演じる君嶋とのシーンが多いと思うのですが、大泉さんとも初共演ですよね?

 もともと、大泉さんのことは役者さんとして大好きなので、今回ご一緒できてすごく光栄です。表現の引き出しがとてもたくさんある方で、撮影中、監督の要求がリハーサルごとに変わっていってもちゃんとそれに応えていく。その対応力を間近で見ていると、本当に天才だなって。いつも近くで見ていてゾワって鳥肌がたっています。

――撮影現場はどんな雰囲気ですか?

 ラガーマンたちが、まるで中学生みたいです(笑)。すっごくくだらないことで盛り上がっていたり、みなさん鍛えあげられた肉体をしているので、やたらと服を脱いで見せつけたがる(笑)。中学時代を思い出しちゃうくらい楽しい現場です。

――試合のシーンは迫力がありそうですね。

 実際に近くで見ていると、みなさん本当にかっこよくて。体と体がぶつかる音が聞こえてくるんですよ。最初にそれを聞いたときには、その生の感覚に圧倒されて。感動しましたね。

――まったくラグビーのことを知らなかった笹本さんをそこまで感動させた、ラグビーの魅力って何でしょうか。

 ラグビーって命かげのスポーツですよね。ラガーマンたちは命をかけて戦うために体を鍛える。でも決してぶつかって喧嘩をしているわけではなく、そこには「ノーサイド」(試合が終わった瞬間に敵味方の区別がなくなり、互いの健闘をたたえ合うというもの)の精神がある。

 実は紳士的なスポーツだってことを知ってから改めて近くでラグビーを見ていると、自然に涙が出てきてしまうぐらい。すごくいいスポーツだなって思います。

――物語も中盤に向かいますが、今後どんな風にドラマを見てほしいですか?

 まずは、スポーツものだから、企業ものだから、ということをあまり考えずに、見てもらいたいです。このドラマは企業ドラマという主流があって、そこにラグビーチームが出てくる。単なるスポーツドラマではないので、ラグビーを見る、というのではなく、そこに出てくるラグビーに人生をかけている人たちの生き方を見てほしい。頭をからっぽにして見たら絶対にドハマりする作品だと思います。

 日曜の夜にこのドラマを見て、明日から頑張って会社に行こう、学校に行こうって思ってもらえたら嬉しいですね。

※本連載は雑誌『TV station』との連動企画です。
写真提供:TBS

未来につながる、パスがある。
大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。
アストロズを再生せよ――。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーチームの再建に挑む。

『ノーサイド・ゲーム』

池井戸潤
ダイヤモンド社 刊
定 価:本体1600円+税 
発売日:2019年6月13日