商品取扱高が鈍化したのは
破格の割引サービス実施中

 しかも昨年12月末以降は、有料会員が購入価格の10%の値引きを受けられる「ZOZO ARIGATO」のキャンペーンを仕掛けている。この販促策は5月30日まで続いた。すなわち、19年4~6月のうち5月末までの2ヵ月間はZOZO ARIGATOのキャンペーン中だったのだ。それにもかかわらず、第1四半期は12.5%しか伸ばせなかった。

 さらに深刻なのは、年間購入者数がついに減少に転じたことだ。1~3月期は812万6524人だったが、4~6月期は812万1663人と前四半期から微減となった。内訳をみると、過去1年間に1回以上商品を購入したアクティブ会員は10万人強増えた反面、ゲスト会員が11万人強も減っている。

 栁澤孝旨・取締役副社長兼CFOは4~6月の減少について「新規会員の獲得のためのプロモーションをほとんどやっていないからだ」と説明した。今後はプロモーションにも力を入れていくという。

 しかしZOZOはすでに、顧客が代金の支払いを最大2カ月先に延ばせる「ツケ払い」サービスを16年に始めたほか、昨年末には前述のARIGATOという、10%もの金額を割り引く非常に強力な“実弾”にまで手を出し、集客効果が薄いとして半年足らずでやめてしまった。起死回生の新規会員獲得の手段はそう多くない。

ZOZO離れは影響ない!とアピールも
商品単価の下落は止まらない

 出店ショップ数は、19年3月期第3四半期から第4四半期にかけて、1255から1245に減少し、“ZOZO離れ”が数字にも表れたが、直近では1297に伸びた。栁澤副社長は説明会の冒頭、5月に出店ブランドを集めた交流イベントの動画を流し「メディアはZOZO離れと表現したが、ブランドとは良好な関係を継続しているので心配しないでほしい」と訴えた。

 だが、平均商品単価は前年同期比1.9%減の3877円。「低単価ショップの出店が増えたことや、セールの影響」と栁澤副社長は説明したが、低単価ショップの増加こそ他のファッションECサイトとの差別化を難しくしている要因である。一方で、新たなブランドを入れなければ、ZOZOのECサイトである「ZOZOTOWN」の成長も困難であり、悩ましいところだ。

 そんなZOZOが懲りずに貫徹しようとしているのが、個々人のサイズに合った商品の販売だ。今年6月には「ZOZOMAT」の計画を公表。裸足をマットに置き、スマホをかざして詳細な足のサイズが計測できるという仕組みだ。

 これにより、ZOZOTOWNで18年度に361億円の売り上げだった靴の販売を増やそうとしている。ZOZOは、ZOZOTOWNで販売している既製の靴のサイズを収集しており、これを個人のサイズデータとマッチングさせるとみられる。

 だが、JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは「平均的でないサイズへのニーズは全体として小さい。靴であればなおさら、試しに買って、合わなければ返品するというスタイルが主流になるだろう」と話す。

 また、人間の足のサイズは夕方にむくみやすいなど1日の間に変化しやすいし、革靴なら購入直後の一定期間は履いていて痛みがあっても、次第に足になじむといった特徴がある。こうした点へのZOZOMATの対応について本編集部はZOZOに尋ねたが、明確な回答はなかった。