1997年の香港の中国返還以来、最大規模のデモが域内の経済成長、企業景況感、金融市場を脅かしている。犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」改正案への抗議運動に端を発した大規模デモは、世界の金融センターとしての香港の地位にも影を落とすようになった。香港の林鄭月娥行政長官は30日、デモや米中貿易摩擦を巡る不透明感を理由に今年の経済成長を「楽観する余地はない」と語った。翌31日に当局が発表した4-6月期の実質GDP(域内総生産)は前年同期比0.6%増にとどまった。「世界経済の下振れリスクの高まりやその他の逆風が吹く中、地域の景況感が目に見えるほど悪化した」と指摘した。こうした圧力が小売株や不動産株の重しになり、7月は香港ハンセン指数が世界の株価指数のうち値下がり率上位に入る見通しだ。
香港デモ、域内経済に打撃 観光・小売りが痛手
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