「お通しトラブル」で考える、外国人客との深刻な文化ギャップ解消法
日本の飲食店で、「お通し」にクレームをつける外国人観光客が増えたというニュースが話題となった。これは氷山の一角に過ぎない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

飲食店で相次ぐ「お通しトラブル」
文化の違いを解消するには

 沖縄のある居酒屋で、外国人観光客の「お通しトラブル」問題が工夫によって減ってきたというニュースが目にとまりました。お通しトラブル問題とは、外国人の来店客が「注文していない食べ物が出てきて、それが勘定書きに加わっている」とお店にクレームをつけるというもの。訪日外国人観光客の増加に伴い、居酒屋では頻繁に起きる日常的なトラブルになってきています。

 こうしたことが問題になるそもそもの理由は、「お通し」の仕組みが海外にないからです。これとよく似ているのが、「チップ」の習慣がない日本人がアメリカに出かけて起こすトラブル。内容は後述するとして、沖縄で起きている現象はあれと同じです。

「お通し」の仕組みがない外国人が、会計の際になぜ1人500円ずつ余計に請求されているのか、それに気づいて疑問を持ち、クレームを起こすわけです。

 それで、このお店が解決策として行った工夫は、5ヵ国語の表記で「すべてのお客様にテーブルチャージがかかる」「お通しはテーブルチャージの一部である」という内容を告知したことだそうです。

 外国人の顧客がこのことを告知されると、捉え方が180度変わります。テーブルチャージなら、自分の生まれ育った国にもある習慣なので理解できる。しかも日本の場合、テーブルチャージに「おまけ」でお通しがサービスされる。そう理解すると、得をした気になるというわけです。

 たったそれだけのことに見えますが、実はこのニュースは、外国の文化の違いによって生じるトラブルとその解決策として捉えると、非常に重要な2つの要素を含んでいます。今回は、それについて私の考えをまとめてみたいと思います。

 このニュースから学べる1つ目の教訓は、「相手が文化的に理解できる言葉で、かつ建前ではなく本音の情報を伝える努力をする」ことの大切さです。前述した「チップで日本人が引き起こす問題」は、これができていないことが原因で、知らず知らずのうちに私たち日本人の旅行客は、アメリカの飲食業界で働く人たちの心象を悪くしています。