●手順1 花子さんの通院の自己負担分を合算

 最初に合算の計算をするのは、花子さんの通院の医療費だ。花子さんは、高血圧症の治療で内科に通院し、膝関節の治療で整形外科に通院している。この制度の名称は「世帯合算」だが、ひとりの人が複数の医療機関を受診した自己負担分も、要件を満たせば合算対象になる。

 また、70歳未満の人の場合、自己負担額が2万1000円を超えないと世帯合算できないが、70歳以上の人は金額に関係なく、支払った自己負担分の医療費すべてが対象になる(ただし、健康保険が適用されている治療や医薬品などに限る)。

 花子さんが支払ったのは、内科で1万6000円、整形外科で1万円。まずは、この2つを合算し、高額療養費の申請をする。2つの科で支払った自己負担額の合計は2万6000円。花子さんの通院の限度額は1万8000円なので、世帯合算の申請をすると、差額の8000円が戻ってくる。

・内科1万6000円+整形外科1万円=合計2万6000円(イ)
・(イ)2万6000円-通院の限度額1万8000円=還付金8000円(ロ)
・還付後の花子さんの実質的な自己負担分は1万8000円(ハ)

●手順2 太郎さんの入院の自己負担分と花子さんの実質的な自己負担分を合算

 次に合算するのは、70歳以上の入院の自己負担分だ。病院で高額療養費を適用してもらえたので、太郎さんが支払ったのは5万7600円。これに、手順1で払い戻されずに残った(ハ)の1万8000円を足すと7万5600円。70歳以上の太郎さん花子さんの世帯の限度額は5万7600円なので、申請すると差額の1万8000円が戻る。

・太郎さんの入院5万7600円+(ハ)1万8000円=合計7万5600円(ニ)
・(ニ)7万5600円-70歳以上世帯の限度額5万7600円=還付金1万8000円(ホ)
・還付後の70歳以上世帯の実質的な自己負担分は5万7600円(ヘ)

●手順3 70歳以上の人と70歳未満の人の自己負担分を合算

 最後に70歳以上の人と70歳未満の人の自己負担分を合計する。70歳未満の人の世帯合算は、1つの医療機関での自己負担額が2万1000円を超えないと世帯合算できないので、愛子さんが整形外科に支払った自己負担額1万5000円は合算対象にならない。ここで合算できるのは、一郎さんの入院の自己負担額8万3430円のみだ。