家計簿アプリの落とし穴家計簿アプリは便利ですが、その“デメリット”を理解していないと、家計管理がずさんになりかねません Photo:PIXTA

 最近、より人気が高まってきている家計簿アプリ。「すでに利用している」という人も多いことでしょう。きちんと使いこなせれば、家計管理に非常に便利で、有益なツールです。キャッシュレス決済した分は自動で記録してくれるものもあり、現金での支出などはレシートを写真撮影したり、簡単な手入力をしたりするだけで、漏れなく家計管理ができます。

 しかし、この「自動で記録」という機能を過信しすぎて、きちんと家計管理ができていないケースが少なくありません。自動で記録することに慣れると、支出の管理の漏れに気がつきにくく、支出の全体像がつかみにくくなってしまうのです。

 ですから、記録の仕方などをその都度振り返って修正し、自分たちが混乱しないような管理方法を作り上げる必要があります。また、便利なだけにその結果が単なる数字の一覧になってしまい、改善に生かされなかったり、まるで「他人事」のように扱ってしまったりすることもあり得ます。

 家計簿アプリを使う際は、そのデメリットも意識しなければ、これからご紹介するAさんご夫婦のように「なかなか貯金ができない、でもその理由がわからない」という状況に陥ってしまうのです。

毎月54万円の支出で赤字に!
家計簿アプリでも無駄に気づかない30代夫婦

 Aさんご夫婦は「マイホームを購入したいのに、数年前から貯金が増えていない」というお悩みで私のもとへ家計相談にいらっしゃいました。会社員の夫(37)、共働きで会社員の妻(35)、そして来年小学1年生になる保育園年長の長女(6)の3人家族で、そろそろマイホームを持って落ち着きたいと考えているといいます。