その上、日本の対韓輸出手続きの見直しは、韓国経済にかなりの影響を与える可能性がある。この懸念から8月に入りウォン安に拍車がかかった。これまで、韓国は日本などの技術などを使って半導体産業分野を強化してきた。

 1980年代後半以降、韓国は日米半導体協定に乗じる形で、日本などから半導体の生産に必要な技術を吸収した。それをもとに、韓国は、日本から高純度のフッ化水素や精度の高い半導体製造装置などを輸入し、サムスン電子を筆頭とする財閥企業などがICチップを大規模に生産できる体制を整えたともいえる。

 特定3品目の対韓輸出手続きの見直し(リスト規制)に加え、わが国が韓国を“ホワイト国”から除外したことは、韓国経済のファンダメンタルズ悪化に直結する問題だ。調達に従来以上の時間とコストがかかるようになれば、韓国企業がスムーズに生産を行うことは難しくなるだろう。

 加えて、足元、世界的に半導体の生産能力は余剰気味だ。韓国の生産落ち込みを台湾勢などが取り込むことは可能だろう。韓国経済はかなり深刻な状況を迎えつつあるようにみえる。

限界を迎える
韓国の中国依存

 ウォン安には、中国に依存した経済運営が限界を迎えるとの懸念も影響している。韓国にとって中国は最大の輸出先だ。輸出の25%は中国向けであり、香港を加えると30%を超える。

 中国経済は成長の限界に直面している。

 当面、習近平国家主席はインフラ投資や補助金の積み増しによって景気を支えようとするだろう。ただ、景気刺激策がどの程度の効果を発揮するかは不透明だ。なぜなら、中国国内では耐久消費財や社会インフラの需要が飽和し、投資効率が低下しているからだ。韓国が中国の経済成長を当てにして自国の経済運営を続けていくことは難しくなっている。

 それに加え、米中摩擦には、米国と中国の“覇権国争い”という側面がある。これは、長期的な世界経済の変化だ。