イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は20日、辞任を表明した。コンテ氏は議会上院での演説で、反移民を掲げる極右政党「同盟」を率いるマッテオ・サルビーニ内相を、政治的危機を招いたとして非難した。同盟は反エスタブリッシュメント(既得権層)政党「五つ星運動」と連立政権を構成する。同盟と五つ星運動との連立崩壊により、五つ星運動が中道左派政党の民主党と新政権を巡る合意に達しない限り、前倒しで総選挙が行われる可能性が高い。世論調査では、同盟が右派勢力と共に総選挙で勝利する可能性が示唆されている。サルビーニ氏は、イタリアが必要とするインフラ投資などの政策を五つ星運動が妨害していると主張。8日には政府への支持を撤回し、総選挙を求めた。これに対し五つ星運動の幹部は、過去に激しく対立した民主党との連立を模索し始めた。