本当に魅力ある市区町村とは?
北海道の本当に魅力ある自治体1位はある漁師村でした Photo:PIXTA

 近年では、自治体の「幸福度」や「住みやすさ」などの魅力度を調査したさまざまなランキングが発表されている。しかし実際は、ランキング上位でも、流入する人口よりも流出する人口のほうが多い、社会減の自治体が少なくない。人口が多く流出している自治体が果たして本当に魅力ある自治体といえるのだろうか。

 そこで、2019年7月16日に掲載した記事では、筆者の所属する中部圏社会経済研究所で開発した「地域力指標」によって「全国市区町村の本当の魅力ランキング・ベスト30」までを紹介した。

 地域力指標とは、地域の人を引きつける魅力を示す「地域力フロー指標」と、地域の持続可能性を示す「地域力ストック指標」を総称したものである。

 地域力フロー指標は、人口の社会増と自然増が高い自治体ほど人を引きつける魅力が豊富にあり、しかもそうした魅力には共通の要因があるはずという前提のもとに作った指標だ。機械学習の力を借りて、117種類のデータの中から、人口増に大きな影響を与える17のデータの組み合わせを選択、これらを「生活基盤」「教育」「コミュニティ」「住民・福祉」「女性の活躍」の5分野に分けるとともに総合得点を算出した。

 したがって、当然、5分野に優れた市区町村の評価が高くなるわけだが、一般的には、所得や教育レベルが高い都市的な魅力を持つ自治体がランキング上位を占めることになる。

 一方、地域力ストック指標は、一時的に人を引きつける魅力が高いだけでは、自治体の長期的な地域力の向上や持続可能性には必ずしもつながらないという観点から作った指標だ。年齢にかかわらず地域住民のどれだけが地域経済を支える活動に参画しているか、具体的には、1人の高齢非就業者を、年齢にかかわらず、何人の就業者が支えているかで算出した。

 したがって、高齢化がそこまで進んでいない都市部やベッドタウンあるいは高齢者が就労可能な職が多い市区町村の評価が高くなる。農村部においては、高齢となった後も農業等居職接近した産業に従事できることで生涯現役に近い生活が送れるのに対して、都市部では高齢者が就ける仕事が極端に限られるため、必ずしも都市的な魅力を持たない自治体でもランキング上位に位置することになる。

 そこで今回からは、こうしたそれぞれの指標の特徴を踏まえたうえで、地域力フロー指標と地域力ストック指標について、47都道府県を6つブロックに分け、それぞれの都道府県における市区町村ランキング・ベスト5を紹介したい。今回、取り上げるのは北海道と東北6県だ。