米政府の当局者と金融関係者はここしばらく、米景気が下降局面に入りつつあるのか議論してきたが、21日になって一段と難しい問題に突き当たった。仮に景気が悪化した場合、有効な手立てがほとんど見当たらないということだ。短期金利は既に低水準にあり、連邦準備制度理事会(FRB)は借り入れコストをさらなる引き下げを通じて消費や投資を後押しする余地がほとんどない。一方、財政赤字は急拡大している。そのため、減税や歳出拡大による成長支援措置を講じることも容易ではない。さらに厄介なことに、景気刺激策を巡る民主党と共和党の主張に大きな隔たりがある。民主党は支出拡大を支持するが、共和党は減税を望んでいる。それぞれの党内でも意見の不一致がみられる。