飲み会の翌日に必ず遅刻する部長に、
課長がついにキレる

 瀬谷はあちこち柳川部長を探したが、社内に柳川部長の姿はなく、どうやら今日も遅刻しているようだ。

「昨日は偉そうに『体調管理くらいしっかりやれ』と言っておいてこれかよ」

 瀬谷はうんざりしつつも、午後から出勤してきた柳川部長をつかまえて話をした。

「部長、飲んだ次の日の遅刻は、部下にも悪影響が出るのでやめてもらえませんか?」

 瀬谷からの突然の話に、柳川部長は驚くと同時に、痛いところをつかれたため、カチンときた。

「俺は部長なんだから、お前に指示されるいわれはない。その分結果は出している」
「ですが、部下が『部長も同じことをしている』と言って、遅刻をしても開き直っています」
「それはお前の指導が悪い!上司としてしっかり管理しろ!」

 瀬谷は柳川部長の言葉を聞いて、自分の中で何かが崩れる音がした。

「もうやってられない…」と感じた瀬谷はその日の夜に退職届を書くと、次の日社長に提出した。

 瀬谷の突然の行動に驚いた上田社長は、「考え直せ」と引き留めたが、瀬谷の意思は固かった。

「柳川部長にも、会社にもついていけません。ずっと我慢してきましたが、もう限界です」

 社長は「部長には俺からも言っておくから」と何とかなだめようとしたが、「無理だと思います。今日付けで辞めさせてもらいます」と言って部屋を出た。

他の社員も次々と退職届の提出
社長がついに決断する

 翌日、瀬谷の退職を聞きつけた他の社員たちが、何と一斉に退職を申し出てきた。

「瀬谷課長が辞めるなら、自分たちも辞めます」
「真面目に勤務しても、柳川部長のお気に入りの社員だけが評価されるのは納得できません」

 口々に言うと、社長と柳川部長の前に次々と退職届を出しに来た。皆も柳川部長のルーズさと自分勝手な言動に辟易としており、不満が溜まっていたのだ。柳川部長は、自分が招いた事態にもかかわらず、怒りのあまり皆を怒鳴りつけた。