日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を伝える韓国各紙
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を伝える韓国各紙  Photo:JIJI

韓国民は恐ろしい政治家を
リーダーに選んでしまった

 8月15日、“光復節”のソウル市内では左派系団体と保守派団体が、それぞれ大規模なデモを実施した。左派系団体は文在寅(ムン・ジェイン)大統領を支持し、保守派団体は“反文政権”をうたって行進したという。そうした状況を見ると、韓国の社会心理には文大統領への懸念が徐々に出始めているともいえるようだ。

 8月22日、文政権が、日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を決めた。韓国自身の安全保障を考えても、日韓の防衛上の情報交換は必要だろう。また、日米韓が協力して、北朝鮮の非核化を目指すためには必要不可欠な枠組みだ。それを文大統領が破棄することは、米国からも厳しい非難が出ている。安全保障の専門家の一部からは、「文大統領の今回の決定は韓国の国益を大きく阻害することになる」との批判も出ている。

 文政権の発表によると、2018年1月以降、一度も日韓で安全保障上の情報交換を行っていないとしている。しかし、これまで北朝鮮のミサイル発射の際、着弾点を特定したのはわが国からの情報であることは韓国軍自身が認めている部分があるという。

 文政権は破棄の決定について、米国と緊密に連絡を取り合っているとしている。しかし、米国政府高官からは、「失望した」「文政権の思い違い」などの発言が出ている。トランプ大統領自身からも、文政権に対する批判が出ていることは明らかだ。仮に文政権の主張が正しければ、米国サイドからそうした発言が出るのは極めて不自然だ。文大統領は、なぜ、誰にでもわかる嘘(うそ)をついてでもGSOMIAを破棄したのか。その行動は多くの人たちの理解を超えている。

 重要なポイントは、文大統領が国民の反日感情をあおることで、国民の“大統領の嘘(うそ)”を見抜く目を曇らせていることだ。それでは、本当の意味で韓国の国民を幸福にすることはできないだろう。

 韓国民は、恐ろしい政治家を国のリーダーに選んでしまったとしか思えない。