中国人は信用ならないという
イメージは嘘である

 日本人が中国人に持つのは、爆買いの行列のイメージや、順番待ちを守らないイメージだろう。しかし真実は、少し違うのだ。この際に私が知っている中国人の本当の姿をここに伝えたいと思う。

 今の中国経済の中枢をつくっている人たちは、当然ながら爆買いをする旅行者ではない。北京、上海、深センなどで企業に属するビジネスマンたちである。しかし、あまり日本のメディアに出てくることはない。だから日本人は、その本当の姿を知らないだろう。

 私たちがビジネスで中国へ行くと、みなとても礼儀正しい。部屋に入れば私たちが座るまで誰も座らないし、部屋の扉を出るときも必ず先に通される。エレベーターでも必ず先に通される。次のアポイント先へ移動しようとすると、わざわざマイカーで送ってくれたりもする。また、特に私が困ったときなどは本当に一生懸命助けてくれる。

 例えば昔、不運なトラブルが起きて、契約書上、我が社が費用負担をしなければいけないときがあった。私の会社は当時、まだ今よりも小さく資金力がそれほどなかったので、かなり焦った。しかしそのとき、先方の中国人は「どんなときもある、辛いときはお互いが助け合わないといけない。だから今回のお金はいらない」と言ってくれた。

 中国人とビジネスをしていると、このような例はたくさん体験する。彼らのこうした側面に数多く触れた私にとっては、これこそが中国人の本当の姿である。だから今回、京アニを支援したいという声がたくさん寄せられても、なんの違和感もない。しかし、残念なことに彼らのこうした姿は、なかなか日本のマスメディアでは報じられない。

 日本のマスメディアは中国恐怖症なのだ。確かに昔、中国とビジネスをしようとして散々だまされた日本企業は存在する。そのイメージがまだ根強く残っているのではないだろうか。

 ある中堅出版社などは、「うちは中国には絶対に権利を売らない方針だ」と断言する。大手出版社はさすがに最近の中国を少し知っているので、中国とのビジネスの方法を見つけつつあるのだが、中堅どころとなると、情報が古いまま止まっているのだ。