Gさんは担当ケースワーカーについて、「福祉労働者という感じがしないです。ただ、予算を削ることしか考えていないような、こちらの弱点を見つけるのに懸命なような……」と語る。生活保護制度の中で当然利用できるメニューが、様々な抵抗に遭って利用できないことは日常的に多いという。エアコンについては、もちろん社協の貸付が利用できるのだが、「今の担当者に言う勇気は持てない」(Gさん)。

「福祉関連の仕事を、私たちも30年間近く一生懸命やってきました。それで、こういう仕打ちを受けるとは。社会のために一生懸命やってきたのに、病気になって福祉を受けると、こういう状態になるとは。社会の落とし穴は、本当に怖いです」(Gさん)

『めぞん一刻』の五代裕作と音無響子の30年後が、Gさん夫妻と同様であったとしても、あまり不思議ではない。

熱中症により自室内で死亡
北海道60代女性の教訓

 今夏の特徴は、冷涼な北海道の中でも夏が冷涼だったはずの地域に、少なからぬ猛暑日が見られたことだ。関東以南では、もともと暑い夏への慣れがあり、不足といえども冷房機器などの備えはあることが多い。しかし、慣れも備えもない地域を猛暑が襲ったらどうなるだろうか。

 2018年7月、札幌市で最高気温が30℃を越した日、生活保護で暮らす60代の女性が、熱中症により自室内で亡くなっていたところを発見された。備え付けのクーラーはあったのだが、電気料金滞納により使用できなかった。担当ケースワーカーは、6ヵ月以上にわたって本人に会えておらず、電気料金滞納も把握できていなかった。少なくとも6ヶ月に1回は訪問調査を行うことになっているはずだが、その標準が守られていなかったことになる。

 北海道生活と健康を守る会連合会の細川久美子さんは、事件については「それっきり、蓋をされてしまっている状況です」という。しかし福祉事務所は、高齢者において、6ヵ月に1回の訪問調査を「きちんとする」という姿勢を示しているそうだ。成果は、「最近は、孤独死が聞かれない」という形で現れているという。