布巾や雑巾まで
ケチることの意味は?

 細川さんが懸念しているのは、生活保護の「家具什器費」に関する締めつけだ。生活保護のもとで新生活を始める場合、家具什器費によって、新生活に必要な物品を買い揃えることができる。現在、通常の上限は2万9100円だが、特別な事情が認められた場合には上限が4万6400円となる。

 もともと十分な金額ではない。新品の電子レンジと冷蔵庫と洗濯機と布団を購入することは難しい金額だ。なお昨年度から、エアコンなどの冷暖房器具については別途、家具什器費からの購入が認められるようになった。とはいえ、上限は5万円。省エネタイプの購入は困難だろう。

 細川さんによれば、家具什器費の上限までの給付を行わない福祉事務所が増えてきているという。白物家電製品や寝具に加え、100円均一ショップで購入した布巾や雑巾、安売りスーパーで購入したトイレ掃除用のバケツのレシートを揃え、福祉事務所で家具什器費を申請すると、「布巾や雑巾やバケツは家具什器ではない」という独自解釈によって、その分が削減される。削減される金額は1400円であったりする。

 10月1日からの消費増税に合わせ、家具什器費も見直されることとなっている。特別な事情がある場合の上限額は、現在の4万6400円から4万7100円へと増額される。増加率を計算してみると、1.5%となる。消費税率が8%から10%へと増加することにスライドさせるとすれば、1.85%の増加が必要なはずだ。

 ちなみに、1.85%増加させると、家具什器費の上限額は4万7260円となる。家具什器費には、軽減税率が適用される物品は含まれない。160円を“節約”することの目的は、いったい何なのだろうか。

 この冬も、気候不順に悩まされることになるだろう。日本の気候不順は、地球規模で起こり続けている気候変動の一部だ。日本の私たちのサバイバルは、人類全員の、世界規模のサバイバルにつながっている。

(フリーランス・ライター みわよしこ)