金融市場では一見すると相関性のない資産クラスが普段以上に頻繁に連動している。一部投資家はこの傾向について、最近のボラティリティー(変動性)の高まりにつながっているとし、この先一段と変動が激しくなる可能性があると指摘している。
S&P500種指数を構成する11業種は8月に入り、11営業日で全業種が上昇もしくは下落で足並みをそろえた。こうした横並びの動きが月間でこれほど多く見られたのは2016年1月以来。商品(コモディティー)や外国株式など他の高リスク資産も、おおむね米国株と同方向に動いている。米中貿易戦争の激しい応酬が続く中、リスク資産が急落すれば逃げ場がほとんどなくなると懸念する投資家は一段と不安を募らせている。
経済指標に基づけば、米国のリセッション(景気後退)入りが目前とみる投資家はほとんどいないが、新たな関税を巡る不透明感が相場変動を増幅しており、一部アナリストはこうした動きが景気拡大局面の後期に起きるものだとの見方を示している。