中国・北京で10月に開催された医療健康関連イベントで、聴衆の前に表示された胚の写真スライド。イベントは医療目的の外国渡航に焦点を当てていた Photo: Gilles Sabrié for WSJ
米カリフォルニア州の家庭裁判所が代理出産に関する申請を審査していた際、中国人富豪の徐波氏という人物が、少なくとも4人のまだ生まれていない子どもに対する親権を求めていることに気付いた。詳しく調べると、徐氏が代理出産を通じて既に少なくとも8人の子どもの父親になっていたか、その過程にあることが判明し、裁判所は警戒感を強めた。
エイミー・ペルマン判事は、徐氏の親権申請を却下した。これは、ほぼ規制されていない米国の代理出産業界におけるあまり知られていない慣行、すなわち中国のエリート層や富豪が、代理出産が違法である自国を離れ、ひそかに米国生まれの赤ん坊を数多くもうけているという実態に対する異例の厳しい対応となった。
この慣行に関するウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材で明らかになった五つのポイントは以下の通り。
14人の子どもがいることが知られるイーロン・マスク氏は、一部の中国人超富裕層に影響を与えている
ファンタジービデオゲームの製作を手がける徐氏は、自らを「中国の第一の父親」と称しており、フェミニズムに対して特に批判的なことで知られる。徐氏の会社はソーシャルメディアで、同氏が米国での代理出産を通じて100人超の子どもをもうけたと明らかにした。また、別の中国人富豪で教育関連会社を率いる汪輝武氏は、米国のモデルなどを卵子提供者として雇い、10人の女児が生まれたと、同社に近い関係者らは語った。汪氏は将来、女児たちを有力者と結婚させたいと考えているという。カリフォルニア州のある代理出産あっせん業者は、ここ数年で100人の子どもを求める中国人顧客の依頼を処理するのを手伝ったと述べた。こうした依頼は複数の業者に分散されていた。代理出産分野を専門とするロサンゼルスの弁護士は、中国人富豪の依頼人が代理出産により20人の子どもを授かるのを支援したと語った。







