米政府が行っているメタン排出量規制の緩和が、エネルギー業界を二分している。大手企業は強力な温室効果ガスの排出を制限するために規制は欠かせないとする一方、小規模な企業はコスト負担が大きすぎると主張する。石油大手の米エクソンモービルや英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、英BPは天然ガスの生産や各国での販売に向け、大型の投資を実施。天然ガスの主成分であるメタンの排出は、天然ガスがよりクリーンな化石燃料だと売り込む方針に狂いを生じさせる。BPアメリカのスーザン・ディオ会長は、「エネルギーミックスの中で天然ガスがその可能性を最大限に発揮するためにも、メタンの排出は減らさなければならない」と指摘。「単純に、パイプや機器により多くのガスをとどめれば市場に出回る分も増え、低炭素社会の未来に向けて素早く前進できる」とした。