30代にして
最年少の営業部長になったが…

 1人目はTさん。広告営業からキャリアをスタートした。人当たりが良く度胸もあるタイプだ。時代が良かったこともあり、すぐに結果を出しはじめた。

 3年目にしてトップ営業マンになった。その後、店長、エリアマネジャーと階段を上る。そして、30代にして最年少の営業部長に昇格したのだ。

 そこまではサクセスストーリーそのもの。誰もがうらやむ人生だった。しかし、そこからTさんの人生は狂い始める。

 Tさんは熱血タイプだった。それゆえ、叱咤激励が誰よりも激しかった。年の近い部下はまだいいものの、若い営業マンから支持は得られない。自分が熱くなればなるほど、部下は冷めていった。

 また、個人で結果を出すノウハウとチームを率いていくノウハウは異なる。当時のTさんはいわゆる「一匹狼」タイプだった。チームプレイは苦手だったのだ。

 こうなると各営業所の業績は落ち、いくつもの営業所を閉めることになった。結局、その責任をとり、会社を追われることになった。

 そして転職。誰もがチヤホヤしてくれる営業部長から平社員になった。転職先では年下の上司にこき使われることもあった。これはかなり辛かっただろう。

 そこからは転職を10回以上繰り返すことになった。Tさんはしばしば「転職を繰り返すごとに底辺に近づくんですよ」と苦笑いしながら話してくれた。

 これはリアルな意見である。

 しかし、Tさんはへこたれなかった。

 Tさんは10回以上の転職経験でさまざまな人との出会いがあった。そこで、できない人、やる気のない人の本質やメンタルを学んだ。