その後、縁あって再び広告営業の世界へ戻った。Tさんはもともと実力がある方だ。すぐに結果を出し、管理職となった。さまざまな立場で仕事をしたことで、上司の気持ちも部下の気持ちも理解できるように進化していた。Tさんは「脇道から見てきた経験が最高の宝物です」と言っていた。

 Tさんは50歳目前。人生の後半からでも大逆転は起こせるのだ。

見た目と体力の低下が
仕事にも悪影響…

 次に2人目のFさんを紹介する。Fさんは住宅営業マンして15年ほど活躍した方だ。トップランカーとして長年活躍し続けてきた。2、3年ダントツのトップを取るより、15年トップランカーとして活躍し続ける方がはるかに価値がある。本当に素晴らしいことだ。

 しかし、アラフォーになってから、徐々に成績が落ち始めた。Fさんが気になっていたのは“お客様の反応が悪くなってきた”ということだった。自分が現れた瞬間、お客様が「なんだぁ、おじさんかぁ」とガッカリするのが分かるという。これは営業マンとしてというより、人としてショックである。

 実際、Fさんは不摂生な生活と運動不足により、お腹はポッコリと突き出し、いつの間にかおじさん体型になっていた。同級生と会えば必ず「おまえ老けたなぁ」と言われたという。

 また体力も落ち、集中できる時間も年々減っていた。「やらなくてはならない仕事がたくさんあるのに頭がぼーっとして進まない」という。これはFさんの悩みというよりも、中年共通の悩みかもしれない。

 体力と自信は正比例しているものだ。やはり、体力の低下は自信の低下につながる。やがて、今まで自信があった営業にも陰りが見えるようになってしまった。そして、あっという間にトップランクから平均以下へ転落してしまった。

 この時Fさんは「もう年だししょうがない」と半分あきらめていたという。ここでFさんには2つの道があった。それは、もう一度ギアを入れ直してがんばるか、それとも、このまま流されるように過ごすのか。

 Fさんの選択は前者だった。