2019年の財政検証では、年金財政の健全性を今後もほぼ維持できるとされている。しかし、これは非現実的かつ楽観的な経済前提によるものだ。
現実的な前提を置くと、2040年代後半に厚生年金の積立金が枯渇する。
これに対処するために支給開始年齢が70歳に引上げられる可能性が強いが、そうなると老後の必要貯蓄は3125万円になる。ほとんどの人が対応できないだろう。
非現実的な前提の財政検証
年金財政はいつ破綻するか?
「2019年財政検証」の基本的な考えは、「保険料率や国庫負担率は固定し、マクロ経済スライドと実質賃金の引き上げによって、所得代替率を低下させる。それによって収支のバランスを維持する」ということだ。