投資にまつわる伝説では、ゴールド・ラッシュ時代における最大の稼ぎ口は、地面を掘るためのつるはしやシャベルを売ることだったと言われる。振れの激しいマリフアナ(大麻)投資ブームで金脈を掘り当てるには、肥料や不動産への投資がこれに相当すると言えるかもしれない。大麻銘柄は足元で大きく売り込まれている。「大麻に触れている」企業――すなわち、クロノス・グループやグリーン・サム・インダストリーズなど大麻の栽培・販売を手掛けている会社は、過去半年に時価総額が最大で半減した。背景には、大麻産業が収益化を実現できるか懸念が高まっていることに加え、カリフォルニア州など大麻が解禁された州で闇市場がなお勢いを保っていることがある。中でも大きな打撃を受けているのが法人の大口投資家だ。たばこ大手アルトリアが保有するクロノス株式45%の価値は、昨年12月に支払った取得額の18億ドル(約1900億円)を約1割下回っている。