開発を日本がリードし続けられるか――、それを左右する分かれ道はいくつもある。

 第一の分岐点は、次期戦闘機のコンセプトを策定する防衛装備庁と企業でつくる「開発主体」が一貫性を保てるかだ。

 最も重要なのは、国産技術の活用それ自体ではなく、戦闘機を独自の戦略で運用する権限を持つことだ。官民の開発主体は、どの部品をどこの国から買うかを主体的に決め、改修などの自由度を確保した上で調達する交渉力が求められる。

 航空自衛隊元幹部は「官民の開発主体の下に米英などの外国企業をベンダーとして配置するのが望ましい。海外から協力を受ける部品は必ず代替メーカーを確保して居直られないようにする。居直られたら他に切り替えられることが大事だ」と話す。

 理想的ではあるが、こうした強気の交渉をするには、外圧に屈しない毅然とした政府の姿勢が不可欠だろう。

 仮に、こうした強固な開発体制ができても、別の難題が待ち構える。

 戦闘機は運用開始から30~50年使われるが、人工知能(AI)や自動運転技術、レーザー兵器の活用が急激に進む現代において、未来の戦い方を想定するのは極めて難しい。

 次世代戦闘機のコンセプト策定は米国ですら手間取っている超難題なのだ。

将来戦闘機のコンセプト図防衛省が示した未来の空戦のイメージ。これを具体化し、戦闘機の基本設計に落とし込むのが極めて難しい Photo by Hirobumi Senbongi 拡大画像表示

 図は10年に防衛省が示した未来の空戦のイメージだが、「戦闘機(親機)の前に展開する子機は親機から発進させるのか、親機も含めてどこまで無人化するのかなどが全く不透明だ」(政府関係者)という。

 そうした中でコンセプトを議論すると、あれもこれもと要求やアイデアが増える。それらを絞り込み、基本設計に落とし込むには強力なリーダーシップが必要になる。

 まして、他国と共同開発を行う場合、さらに利害の調整は難しくなる。