この霧がかった山あいの村を流れる濁った川の両側には、住民が窓ガラスのない木造の掘っ建て小屋に暮らしている。道路にはニワトリと猫がうろついている。しかし、この中国南西部の田舎は、ボストンやフィラデルフィアなどの米主要都市でさえまだ経験していない未来を垣間見ることになった。国有の携帯通信会社が2年前、宣伝の一環として、少数民族「トン族」の歌と踊りのパフォーマンスを放送するため超高速の第5世代(5G)移動体通信ネットワークを短期間開通したのだ。これは、次世代無線技術を展開する中国政府の計画の大胆さを物語る。5Gは、世界中の政府首脳が次の産業革命をもたらす可能性を秘めると期待する技術だ。
5G巡る覇権争い、中国の猛追で米国に出遅れ感
現代的な水道設備のない田舎でさえ2021年には開通も
有料会員限定
あなたにおすすめ