「咽頭クラミジアですね。性病ですからね、今日は奥さんの分だけ、飲み薬を処方しますが、旦那さんも一緒に治療を受けた方がいいですよ。そうでないと、お互いにうつしあう、ピンポン感染になりますから」

(え、性病、どうして)

 茉奈さんは絶句した。この3年間は、俊夫さん以外との性交はしていない。自分が性病をうつされるとしたら、相手は俊夫さんしかいない。

(あの人、浮気したのかしら。いつ、誰と。許せない)

男女とも無症状が多く
知らずに感染させている可能性あり

 耳鼻咽喉科を出た茉奈さんは、さっそくクラミジアについてネットで調べてみた。何より、浮気以外の状況でうつる可能性があるのかを知りたかった。

 まずは「性器クラミジア」について。国立感染症研究所のホームページを読んでみた。気になったのは以下の項目だ。

・日本では、最も多い性感染症(STD)で、女性感染者数が増加傾向にあることが推察される。
・妊婦検診において正常妊婦の3~5%にクラミジア保有者がみられることから、自覚症状のない感染者はかなりあるものと推測されている。
・29歳以下では、女性の患者数が男性を上回っている。
・女性では感染を受けても自覚症状に乏しいため、診断治療に至らないことが多く、無自覚のうちに男性パートナーや出産児へ感染させることもあるので、注意が必要である。
・口腔性交による咽頭への感染も少なくないことが報告されている。
・症状としては、男性では尿道炎が最も多い。
・女性では自覚症状の乏しい場合が多い。そのため、潜伏期間を特定する のは困難であるとされる。

(何これ。女性の方が自覚症状は乏しくて、パートナーにうつしていることが多いっていうの。納得できない)