再雇用の「元上司」が古巣の営業部で我が物顔、会社は功労者を処分できるか
定年後、かつての功労者が古巣の部署に来るようになり、仕事に支障を来したことはないだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

元営業部長のAは定年後、再雇用で総務部に配属された。仕事に不満だったAは、元部下のC部長からの相談を機に、営業部で口出しするようになる。ところがある日、C部長の離席中に、Aは作成していた見積額を書き換える。事情を知らないC部長はそのまま取引先にメールすると、金額ミスを指摘される。部員から話を聞いたC部長がAに尋ねると…。(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
 従業員数500名の物品製造販売会社。社員の定年は60歳で、その後65歳の年度末まで再雇用制度がある。
<登場人物>
A:60歳。営業部長として第一線で活躍していたが、今年の3月末で定年となった。その後、再雇用で総務部に配属される。仕事に飽きていたところ、かつての部下だったC部長に声をかけられ、その後営業部に入り浸るようになる。
B:総務部長。55歳。仕事に集中できないAの様子を訝しく思っている。
C:50歳。かつてAの部下であったが、後任で4月から営業部長に。
D:甲社の顧問社労士。

「Aさん、この伝票を整理しておいてください」

 B部長から、伝票の束を渡されたAは地味で単調な仕事が面白くなかった。

「はあーっ…、毎日毎日同じことの繰り返しかぁ。もう我慢ならん!」

 Aの仕事は、各部署から出されてくる伝票の記載内容に誤りがないかどうかをチェックし、区分ごとに整理する。1日に約1000枚の伝票を処理するのでまあまあ忙しかったが、3月まで営業の第一線で活躍していたAにとっては、苦痛だった。