インターネット大手ヤフーが、アパレルECサイト大手ZOZOの買収を決めたと発表した。ZOZO創業者の前澤友作氏はトップの座を退き、経営の一線から離れることになる。一代でZOZOを築き上げた業界の風雲児への評価は高いが、近年は伸び悩み、トラブルも多発。“前澤商法”の限界を指摘する声があがっていた。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
スーツが失敗、PBに代わる成長戦略もなく
ZOZO単独での成長は限界だった
「社員は家族だと思って、21年間やってきました」――。
9月12日夕、東京都内で開催された記者会見。社員について話が及ぶと、感極まって涙を流し、目元をハンカチで拭ったのは、アパレルECサイト大手のZOZOを一代で築き上げた風雲児・前澤友作前社長である。
同日朝に電撃的に発表された、ソフトバンクグループ(SBG)傘下のヤフージャパンによるZOZOの連結子会社化。同時に前澤氏の社長退任も発表された。
夕方の記者会見には、前澤氏と親交が深いSBGの“総帥”である孫正義会長兼社長もサプライズゲストとして登場。孫氏によると、「ZOZOを引退して新しい人生を送りたい」「月に行く」「彼女とゆっくり過ごしたい」などと前澤氏から6月ごろに相談を受けたそうだ。孫氏はこの話をヤフーの川邊健太郎社長につなぎ、両社の協議が始まったという。