取扱商品高の伸びが鈍化。年間購入会員数は減少…。前澤友作社長が姿を見せないZOZOの決算発表で幹部から語られたのは、成長鈍化のリスクをまざまざと見せつける内容だった。10%割引で出店ブランドの離反を招いた“飛び道具”も、もはや使えない。ZOZOの次なる成長の手段が見えない。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
7月30 日に開催された、ZOZOの2020年3月期第1四半期決算のアナリスト説明会。その場に、前澤友作社長の姿はなかった――。
前澤社長の欠席について、一世を風靡したZOZOSUITや、プライベートブランド(PB)事業による業績へのマイナス影響が落ち着いたため、第2四半期と第4四半期の説明会のみ前澤社長が出席するという従来の形に戻したと会社は説明した。
確かに第1四半期の業績は、売上高は281億円(前年同期比6.2%増)、営業利益77億円(同32.6%増)と順調そうに見える。だが、その内実をつぶさに見れば、“落ち着いた”と楽観視できない状況だ。
まず、顧客が商品を購入した金額の総額を示す商品取扱高の伸びが鈍化した。前年同期比で12.5%増の792億円にとどまったのだ。19年3月期は、四半期ごとに4~6月が704億円(前年同期比18.2%)、7~9月が708億円(同17.9%)、10~12月が938億円(21.3%)、1~3月が880億円(19.8%)と、おおむね前年同期比で20%前後の伸びを示してきた。伸び率が10%台前半へと鈍化したことは、成長が頭打ちであることを懸念させる。