キレた理由を知りたければ、怒鳴り返すように謝る!

 では、具体的にどのように対応すればいいのでしょうか。

 まず、お客さまが突然怒鳴り出したら、すぐ「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません!」と謝ってしまいましょう。こちらがどんなに正しかったとしても、お客さまが不快に思ったことは事実なので、その点に対してのみ、不本意であっても謝るのです。

 その際、必ず怒鳴り返すくらいの大きな声で謝ってください。怒りを鎮めようとして、冷静な声で謝るのは逆効果です。お客さまは自分の怒りが伝わっていないと思い、余計に声を荒げることになるからです。

 こちらが大きな声で謝ると、「あんたが何度も同じ事を言わせるからだろ!」「普通はすぐ取り替えてくれるよね?」など、お客さまが“キレた理由”や“望む答え”を話し始めます。

 すかさず「お客さまがそう思われるのは当然です。ご要望にお応えできておらず、申し訳ありません!」とさらに謝りましょう。たいていのお客さまは「そうだよ」とか「当たり前だろ」と言った言葉を口にするはずです。

 こうした“YES言葉”が返ってきたら、お客さまの心が落ち着き始めます。怒りの理由がこちらに伝わったことを確認できたからです。

 ここまでくれば、解決まであと一歩です。お客さまの気持ちを代弁する言葉をもう一度、二度投げかけ、さらに「そうなんです」という言葉を引き出します。その結果、お客さまはこちらを「敵」ではなく、「味方」として認識するようになり、こちらの解決に向けた提案を冷静に判断してくれるようになります。