『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』の著者でクレーム対応のプロ、山下由美さんがこれまでにない画期的なクレーム対応の話しかたを初公開。「怒鳴る」「キレる」「自分が正しいと言い張る」「理詰めで責める」「言い分が見当違い」「多人数で取り囲む」「シニアクレーマー」などあらゆるお客さまからのクレームを、たったひと言「そうなんです」と言わせるだけで解決します。

クレーム客が突然キレ出す本当の理由Photo: Adobe Stock

「期待外れ」の対応にキレるお客さま

 最初から怒鳴りつけてくるお客さまも困りますが、それまで普通に話をしていたのに、突然、キレて怒鳴り出すお客さまへの対応はさらに大変です。クレームの解決に向けて順調に話が進んでいると思っていただけに、パニックに陥りやすいのです。

 特に困るのが電話での対応です。対面と違って、お客さまの表情が曇ったり、貧乏ゆすりを始めたりするなど、ボディランゲージによる情報をほとんど得られません。そのため、怒りの予兆がつかめず、「突然」怒鳴り出された形になるからです。また、怒鳴られた後の対応も、相手の顔色や様子を確認できないなかで行っていかなければなりません。

 そのため、お客さまが怒鳴り出した理由を、言葉で明確にキャッチする必要があります。覚えておきたいのは、話の途中で突然怒鳴り始めたお客さまの理由の多くは、「自分の思いどおりの対応をしてもらえていない」ことへの不満にあることです。ですから、この「思いどおり」の姿を探ることが、お客さまの怒りをコントロールする第一歩となります。