どんな言葉がお客さまを怒らせるのかを把握しよう

 ところで、前述のように「ご要望にお応えできておらず」と謝るところを、くれぐれも「ご要望にお応えできず」と言い間違えないようにしてください。「できておらず」と「できず」はまったく意味合いが違います。万が一「できず」と口にしてしまった場合、「ろくに検討もせずに『対応できない』とは何事か!!」と、余計に怒りを買うことになりかねません。

 こうした些細な言い間違いが、大きなクレームに発展することは珍しくありません。お客さまを怒らせてしまったときは、何が引き金になったのか、後からでも原因を探って「NGワード」として共有しておくことが大切です。

 できれば、「クレーム対応に使う言葉集」などを、店や会社で用意しておくことをおすすめします。クレーム対応はその場その場の判断が大事なので、「対応マニュアル」はあまり役立ちませんが、語彙を高める「言葉集」は役立ちます。

 繰り返しますが、それまで冷静だったお客さまが突然怒鳴り始めた場合、必ず理由があります。お客さまの地雷を踏むようなことを口にしたなど、対応の失敗がこちら側にあったはずです。そうした地雷となったキーワード等は二度と使わないようにしなくてはなりません。どんな言葉がお客さまを怒らせるのか、きちんと把握するよう心がけましょう。