文大統領・曺法務部長官の反撃スタート

 反撃第1弾は、検察改革である。9日の就任当日には法務部内に検察改革を進める「改革推進チーム」を設置するよう指示し、革新系弁護士団体の出身である人権局長をトップに据えた。さらに11日には検察を監査する組織の強化や、空席となっている監察本部長の任命手続きを急ぐ方針を示している。こうして検察改革を進めることで検察の行動を牽制するとともに、検察の捜査から国民の目を逸らそうとしている。

 また第2弾として、法務部次官は曺国法務部長官の捜査から尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長を外すことを提案した。検察側はこれを拒否したが、これは検察の捜査に介入し、曺氏にとって有利な結果を導き出そうとする動きと疑われる。

 加えて、曺国法務部長官に対し最も強硬に非難を繰り返してきた自由韓国党の院内代表、羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン、ウォンの字は王へんに援の旧字体のつくり)氏について娘の不正入学疑惑を持ち出し、野党の牽制も行っている。

検察改革が国民受けする理由

 曺氏の法務部長官任命直後の世論調査結果(リアルメーター)を見ると、就任に賛成が46.6%、反対が49.6%となっており、その差は縮まっている。その要因として、ご祝儀相場であったこと、以前から政権に反対する層は世論調査にはあまり積極的に協力してこなかったことなど、種々の要因が挙げられるが、中でも最大の要因が検察改革に対する国民の期待があることである。

 その期待を高めた一つの要因が、韓国映画「1987、ある闘いの真実」(2017年公開)で描き出した検察・警察の強引な取り調べが、韓国国民に検察改革の必要性を強く印象付けたことであろう。