米国の外交政策の重点は「インド太平洋」地域に移ったとの指摘がしばしば聞かれる。しかしこのことは、米国の同盟関係や政策上の優先順位という点で、正確に何を意味するのだろうか。米国の戦略における日本の死活的重要性について多くの米国人の理解は、ゆっくりとしか進んでいない。オーストラリア、ベトナム、台湾、インドネシア、シンガポールなどの諸国・地域にも果たすべき役割がある。しかし、日本が提供する経済的・政治的・軍事的資源がなければ、米国のアジア戦略の成功は望めない。幸いなことに、日本の米国への信頼は厚い。日本の政策担当者は、中国の台頭が恐らく冷戦に匹敵する世界的課題であることを、おおよそ理解している。そして日本は、中国が巻き起こす嵐の通り道にある。日本は、米国との強力で効果的な同盟関係なしには、自国の安全と独立を守り抜くことができない。