メンタリングの要諦は
「自分との対話」のサポート

 Mentor Forに所属している女性メンターは、30代から60代まで幅広い年齢層のプロフェッショナルばかりだ。外国人へのメンタリングも可能なバイリンガル、NPO法人を運営する女性、コーチングの資格保有者など様々である。育児や介護を経験している人も多いので、メンティ(相談者)それぞれによって異なる悩みに共感を持って対処ができる。メンターは厳しい研修を受講し、実技演習30時間をクリアし、さらに審査に合格した上で実務にあたっている。

ベテランメンターの安藤知子さん。日米欧の企業でマーケティング、人事、マネジメントを経験。経営者から若手社員まで幅広くメンタリングを行っている

 所属するメンターの一人、安藤知子さんは、数々の大手企業で管理職を経験し、現在は上場企業の社外取締役にも就いている。若手女性社員のみならず経営幹部にもメンタリングを行っているベテランのメンターだ。安藤さんは、こう話す。

「誰もがその人らしく決断して行動していくことをサポートするのが、メンタリングだと思っています。とはいえ、人は自分のことが一番よくわからないものです。『メンターは壁打ちの壁』とメンティに説明していますが、まずは自分自身との対話を深める場を提供することを心がけています」(安藤さん、以下同)

 人材と組織のマネジメント経験を通して、女性がより活躍していくにはメンタリングが不可欠だと思ったという安藤さん。誰もがもっと輝ける社会にしたいと考え、社外メンターになったという。

「メンターとして一番やりがいを感じるのは、メンティの方が自分の価値観を再認識して、自らの意志で動き始めることです。価値観に触れるというのは、理屈や理論の世界ではなく、より感覚的なもので、『心が動く』と言い換えてもいいと思います。一度心が動き始めた方は、まず楽しそうになります。そして、自らアイデアを出したり、自信を持って一歩を踏み出したり、自然とエネルギーが内からあふれてきます」