日経の記事の見出しには「実力を見極めるには?」とあるが、これを「見極める」(=将来の成績を予想する)ことなど誰にもできないのに、あたかもファンドに安定的な実力があり、これを評価することができるかのような思わせぶりな印象操作になっている。

 日経の記事は、ファンドが大きな分配金を支払うためには大きなリスクを取りがちであることを指摘しており、それ自体は事実として間違ってはいない。しかし、売れている毎月分配型投信の現実の商品は、リスクの中身以前に、「手数料を見ただけでもダメ」なものであることを先に伝える方が親切だ。

 はっきり言おう。年間に運用額の0.5%以上の手数料を払う運用商品は、全て検討の対象外でいいと筆者は考える。検討することが既に無駄なのに、リスクに話をそらして、「あれもある、これもある」的な両論併記に投資家を誘導しない方がいい。

 そして個人投資家に対して、「ファンドの実力」なるものがあって、これが評価できるものだと誤解させるような記事は良くない。事後的な優劣は結果としてあっても、将来の優劣が事前に評価できないことを率直に伝えるべきだ。

 高い手数料こそが、毎月分配型投信が売られている経済的背景であり、重要な事実なのに、記事が手数料に一切触れていない点を残念に思う。

金融マンもメディアも目指すべき
投資家に対する真の親切とは?

 毎月分配型投信のように明らかにダメな商品に関して、正当化できるニーズがあって、良い商品を選ぶことができる、かのような情報を提供することは、報道として「不適切」であると筆者は思うし、少なくとも「不親切」だ。